ピアノ学習者のレパートリー『J.S.バッハのインヴェンション』
1つ目の演奏記事はインヴェンション第1番についてです♪
バッハは「テーマ」や「モチーフ」という
作曲の元となる"断片"を、さまざまな形で組み合わせて曲に仕上げていきました。
まずはテーマがどこか意識しながら、
演奏を聞いてみましょう❗️
「バッハが上手くなりたければ、バッハを弾くしかない」
どこで言われたか、書籍の一文だったか
バッハには特有の難しさがあります。
初めてインヴェンションに触れる生徒たちは、
その慣れない語法に、一曲目が一番難しく感じるかもしれません。
でも1曲目を丁寧に仕上げることができれば、
そのあとは割とスムーズに取り組めることが多いのですよ👍
レッスンで指摘することが多い箇所を、
ブログでお伝えしていこうと思います❗️
これからバッハに挑戦する生徒たちは、
ぜひ参考にしてみてね😁
色々ありますが、代表的なものを3つに分けて。
①アーティキュレーション
バッハのどの作品にも共通のポイントです。
文章の単語や文節と同じで、音楽にも音のまとまりというものがあります。
スラーやスタッカート、テヌートやアクセントといった記号は、そのまとまりを理解する上でとても大切です。
ただバッハにはそういった記号はほとんどありません。
そこで、「モチーフ」や「テーマ」をヒントに、どこで音楽が区切れるのか解釈していかなければなりません。
子供たちはたいてい、小節線を目印に区切ってしまいます。
が、大概のバッハの曲は小節をまたいで次の一つ目で区切れることが多いのです。
カタコトのようにならず、滑らかにバッハの音楽が流れていくのはこのためかもしれませんね✨
慣れない箇所で音を区切るので、これに大苦戦する生徒続出ですw
動画の色のついた部分をヒントに、
まとまりを意識するといいですよ😉
②八分音符の長さ(語尾の処理)
バッハの作品を練習するときに、
よく「八分音符♪は切って演奏しましょう」と指摘されます。
多くの生徒は「切る」という言葉に、
迷わずスタッカートを選んでしまい、切り方も長さもまちまちということが多いです。
フレーズの最後の音なのに、
適当にスタッカートする生徒を何人見てきたことか🥲
「おはようございます⤵︎」と言えば丁寧な印象ですが、
「おはようございます」といったらやや乱暴。
「おはようございます〜」は少しアホっぽい。。
言葉の最後(語尾)の音は、印象を決めるとても大切な部分なのです。
どのくらいの長さにするのか、
どんな音量にするのか、
どの方向に弾くのか、
よく注意して練習してみましょう💡
<豆知識>
バッハの時代には現代のピアノという楽器は存在していません。
鍵盤楽器といえばチェンバロやオルガンが主流でした。
音を完全につなげて演奏することができず、
その当時の軽やかさを表現しようと、
現代のピアノでも音を切って演奏することが多いのです。
③難所
今のところ、①②関連以外で私の生徒のほぼ全員指摘したなというところを2カ所載せておきます。
1.
右と左で同じ音が被っています。
どちらかの手で取れば良いのですが、片手で弾くともう一方の声部のつながりを忘れて、「レ、ミド」と切れてしまうのですよね。
しかもトリルもあるので、なおさらわけわからなくなるというw
しっかり左手のレの音はギリギリまで伸ばして、「レーミド」と繋がって聞こえるように注意しましょう。
2.
伸びている音と、次の音とが重なり、
和声が聞こえる箇所です。
伸びている音は動かないので、和声が聞こえる寸前で手を離してしまう生徒が多いです。
ぜひ縦のラインで揃った音を聞いてから次に進みましょう。
皆が一様に指摘されるようなポイントは事前に解消して、
ぜひ、音色や音楽の作り方、
その子にしかない音楽性の追求にレッスン時間を費やしてほしいなと思います🤗
形になってからが本当のレッスンの始まりですよ♪
参考まで。
”その子にしかない音楽性の追求“っていう多様性を認めていて素晴らしいですね。自分が当たった先生はその様な人ではなかったですので。